運命は変えられるか

運命は変えられるか

天外伺朗(ホロトロピック・ネットワーク代表)

      

(『致知』2005年11月号 特集「開発力」より)

運命を変えたいという人はたくさんいらっしゃいますよね。
講演なんかで例えば200人の方が集まっていたとして、
運命を変えたいと思っている人はいますかって聞くと、
大抵30~40人は手を挙げるんです。

私がそこで考えるのは、
その運命を変えたいという思いの裏に、
いい運命と悪い運命を区別しようとする心がある
ということなんです。

でも、それは本当に区別できるんでしょうか。
ここが一番大きなポイントなんですよ。

いま、私は医療のことをやっていますが、
うちのお医者さん方は腕がいいので、
難病がどんどん治るんです。

そうすると、病気が治ってよかったって皆喜ぶわけですね。
それは当たり前の話なんですけど、
なかには病気になってよかったという人がいるわけです。

病気になったおかげでこんな気づきが得られた。
いままでの人生と180度変わったと。

これは「実存的変容」というんです。

そうすると、病気が治ったことよりも、
その実存的変容のほうが
人生ではずっと大切なんじゃないかと私は思うんです。
病気という、一見不幸に見える出来事の中に、
気づきというものすごい幸運が実は隠されているのです。

それは病気に限らず、あらゆる出来事が
そういう具合になっています。
これを昔の人は「人間万事塞翁が馬」と言ったわけですね。

ですから、幸運と不運というのは
本来は分けることができないはずで、
幸運でも不運でもないものが、
ただひたひたと押し寄せてくる。
これが人生なんじゃないかと私は思うんです。

このことを私はよく波に喩えるんです。
波というのは山があったり谷があったりして、
エネルギー的に見ると、
山のところは位置のエネルギーが最大で、
スピードのエネルギーがゼロです。

そして谷のところはスピードのエネルギーが最大で
位置のエネルギーがゼロ。

その両方を足し算すると、
どこでも同じだけエネルギーがあるのです。

運命を変えたいという人は、
その波の谷を逃れて
山だけに行きたいと思っているのです。
それは無理な話で、山だけの波というのは
存在しませんよね。

そういう具合に、われわれは
いろんなエネルギーといろんな出来事を、
宇宙の計らいとして
受け取っているだけなのではないかと思うんです。

もちろん、そのことを理解したからといって、
すぐに人生が変わるわけではありません。
やはり地道に自分の心を開発して、
運命というものに対する受け止め方を
少しずつ変えていくしかないでしょうね。

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「人間力.com」は月刊誌『致知』より引用しています。

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