あの料理評論家が見たイチロー選手

あの料理評論家が見たイチロー選手

山本益博(料理評論家)

      

(『一流たちの金言』 ~第3章 プロ論より~)

私も年に一度はシアトル・マリナーズの
ホームグラウンドへ足を運んでいるが、
基本的に野球観戦ではなく、イチローを見に行っているのである。

その際、一塁側の観客席からはベンチでの
イチローの様子が窺えないため、
相手方の三塁側に座ることもある。

そこから双眼鏡でマリナーズベンチを覗いてみると、
味方の攻撃中にもかかわらず、
なぜかイチローはほとんどベンチにいないのである。

テレビで観戦していても、誰かがホームランを打って
チームメートがハイタッチしている輪の中で
イチローを探しても、まずいない。

もちろん打順が回ってくる時はスタンバイしているが、
それ以外はロッカールームで次の守備に備えて
アンダーウェアを着替えている。

とにかく彼は準備に準備を重ね、備えを怠らない人だ。
なぜ準備をするのかということについて、彼は昔

「言い訳を最小限にするためだ」

と言っていた。

例えば前の晩にグローブの手入れを忘れたとする。
翌日の試合でたまたまミスをすれば、

「昨日グローブの手入れを忘れたから」

と道具のせいにしたり、言い訳したくなるものだが、
彼はそれを許さない。

そこまで徹底して準備をするイチローは当然
「ミス」がほとんどないのだが、
2004年の7月17日のクリーブランド・インディアンズ戦で
貴重な(?)凡ミスをしたのである!

ライトヘの凡飛球をグローブに当てながらも落球してしまったのだ。

この日のインタビューで、彼は

「ルーティンのフライボールを落とすということは、
 野球を始めて以来、一度もなかったと思います。
 野球の基本を見直す機会にしたいと思います」

と答えている。

これほどの選手が「基本を見直す」と言う自体がすごいが、
さらにすごいのは、その「見直し」が行われたであろう、
翌日の18日から打ちに打ちまくり、
8月17日までの28試合で
132打数67安打の記録を残したのである。

イチローはヒットで出塁し、
ホームインしてベンチに戻ってくると、
すぐにバットケースから自分のバットを取り出し、
いまのヒットはバットのどこに当たったのかを見ながら、
いったんバットボーイの手に渡ったバットを
自分の道具として取り戻すためにチェックしているのだ。

職人は毎日同じ仕事をしていても、
日々の仕事の見直しや点検を決して怠らないものだが、
ことバッティングに関して、毎打席、
見直し・再点検を行っているイチローには恐れ入る。

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「人間力.com」は月刊誌『致知』より引用しています。

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