商いは“始末”が大事

商いは“始末”が大事

玉置辰次(半兵衛麩第11代当主・会長)

      

(『致知』2009年10月号 連載「三百年続く老舗の訓え」より)

幼い頃、父と一緒に行った近所の風呂屋で、
こんな話をしてもらったことがありました。

「新しい手拭いで顔を洗ったら気持ちええやろ。
 でも汚れて薄くなったからと言って、
 すぐに捨てたらあかん。
 折り畳んで縫えば、雑巾になる。

 その雑巾がボロボロになったら、
 干して機械の油拭きにすればいい。
 その油拭きは火にくべるとよく燃えるから、
 風呂を炊く時に使えばいい。

 そこまで使い切ってやっとお終いや。
 だから新品を下ろす時には、ほんまにいま、
 それを下ろさんとあかんのかをよぉく考えなさい。
 新品を下ろす時が『始まり』で、
 捨てる時が『終わり(末)』。

 だから『始末』と言うのや。
 この始末をしっかりするかせんかで、
 大きな違いが出てくる」

この時は洗い場の曇った鏡に指で、
ある時は火鉢の灰に火箸で字を書くなど、
父はその時その場に応じた
分かりやすい例え話を用いながら、
商いの心得を聞かせてくれたのでした。

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「人間力.com」は月刊誌『致知』より引用しています。

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