外山滋比古氏の「座右の銘」

外山滋比古氏の「座右の銘」

外山滋比古(ベストセラー『思考の整理学』著者)

      

(『致知』2010年2月号より)

我が道を往き、自分の頭で考えることを
実践し続けて私は86歳となった。
それなりに納得のいく人生を歩んできた
という満足感はある。

しかし、さすがにここまで長生きするとは思わなかった。
人生50年くらいの気持ちで生きてきたところが、
50歳を過ぎても一向に終点が見えず、
途方に暮れているというのが
定年を過ぎた多くの人の実感だろう。

さて、これからどう生きたらいいのか、
と考えている時にこんな俳句と出合った。

  浜までは海女(あま)も蓑(みの)着る時雨(しぐれ)かな

詠んだのは江戸時代の俳人、
滝瓢水(たきひょうすい)である。
これから海に潜る海女が、
雨を避けるために蓑を着て浜に向かう。

どうせ海に入れば濡れてしまうのに、
なぜ蓑を着る必要があるのか。

浜までは濡れずに行きたい、
というのが海女の気持ちなのである。
つまり人間は、少しでも自分を愛おしみ、
最後まで努力を重ねていかなければならないのである。

この句の “浜” を “死” と捉えれば、
一層味わいが深まる。

どうせ仕事を辞めたんだから、
どうせ老い先短いんだから、
と投げやりになるのが年寄りの一番よくないところである。

死ぬ時までは、とにかく蓑を着る。
日が照りつければ日傘を差す。
そうして最後の最後まで前向きに、
少しでも美しく立派に生きる努力を
重ねていくべきなのである。(談)

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「人間力.com」は月刊誌『致知』より引用しています。

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