ピンチはチャンスだ、ありがとう

ピンチはチャンスだ、ありがとう

加治敬通(ハローデイ社長)

      

(『致知』2014年5月号「焦点を定めて生きる」より)

加治 実は平成八年元旦の午前一時にお店が燃えたんですよ。
  そのお店というのは二十数年ぶりに
 出したばかりの後藤寺店という新店で、
 これが大当たりして会社の経常利益の
  三分の二の利益を出していたんです。
 
 その夜、除夜の鐘を聴きながら
営業報告を確認し終えてやっと一息ついたところで、
電話が鳴り響きました。
電話口から上ずった声で、
「火事です。後藤寺店が燃えています」と聞こえてきた瞬間、
もう真っ青になりました。
 
すぐに車に飛び乗ったのはいいのですが、
頭の中は悪いことばかりが次々と浮かんでくるものですから、
寒さではなくて怖さで震えが止まりません。
  
記者 あぁ怖さで震えが。

加治 その時に私の好きな「ピンチはチャンスだ! ありがとう」という
   清水英雄先生の詩がふっと浮かんできたので、
   それを必死で唱え始めたんです。

  「つらいことがおこると/感謝するんです/これでまた強くなれると/
   ありがとう/悲しいことがおこると/感謝するんです/
   これで人の悲しみがよくわかると/
   ありがとう/ピンチになると感謝するんです/これでもっと逞しくなれると/
   ありがとう/つらいことも悲しいこともピンチものり越えて/
   生きることが人生だと言いきかせるのです……」

   車内での四十分間、私はその詩を大声で繰り返しました。
   店に着いた時にはゼェゼェいって喉がかれていたので、
   店に向かって歩く間は
  「ピンチはチャンスだ/人生はドラマだ」と
   小声で何度も呟いていました。
 
   すると私を見つけた店長がバッと走り寄ってきて
  「すいませんでした」と大声で謝ってきました。
   その時私の口から出てきたのが、
  「店長大丈夫や! 改装費一億か二億かかっても、
   君ならまた取り戻せるやろ」という言葉だったんですよ。
   私は基本的に怖がりだし弱虫だから、
   あの詩を口にしていなければ、
   きっと店長をボコボコにしていたと思います。

   だからその店長はいまだに言うんですよ。
   あの時は半殺しまでだったら我慢しようと覚悟をしていたら、
   思いもよらない言葉を掛けられて、
   嬉しくて嬉しくて涙が止まらなかったと。

記者 胸にグッと迫ってくるものがあります。

加治 この話には後日譚がありまして、
   そのお店がオープンした時の
   売り上げというのが千七百万円でした。
   これはスーパーの売り上げとしては驚異的な数字なんですよ。
   ところが火事の一か月後に再オープンした時の
   売り上げが何と二千三百万円だったんです。
   オープン時の売り上げをクリアするっていうことは
   本来ありえないことなんです。
   ですから「ピンチはチャンスだ、ありがとう」
   というのはここからきているんですよ。
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「人間力.com」は月刊誌『致知』より引用しています。

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