「“こだまでしょうか”に込められた思い」

「“こだまでしょうか”に込められた思い」

矢崎節夫(金子みすゞ記念館館長)

 

(『致知』2011年7月号「金子みすゞの詩を読む」より)

 「遊ぼう」っていうと

 「遊ぼう」っていう。

 「馬鹿」っていうと

 「馬鹿」っていう。

 「もう遊ばない」っていうと

 「もう遊ばない」っていう。

  そして、あとで

  さみしくなって、

 「ごめんね」っていうと

 「ごめんね」っていう。

  こだまでしょうか、

  いいえ、誰でも。

五百十二篇ある金子みすゞの詩を俯瞰(ふかん)した時、
全篇を優しく包み込むような作品が
この『こだまでしょうか』ですと、
私はずっと言い続けてきました。

それだけに今回の東日本大震災を受けて、
CMでこの詩が流れたと聞いた時は本当に驚きました。

この詩で私が注目したいのは、
「こだまでしょうか」という呼び掛けに
「いいえ、誰でも」と答えている末尾の一文です。

よいことも悪いことも、投げ掛けられた言葉や
思いに反応するのは「こだま」だけではなく、
万人の心がそうだとみすゞは言っているのです。

この詩を耳にした日本人は、
被災された多くの方々が味わった悲しみや辛い思いに対して、
こだまする自分でいられるかどうかと
考えたのではないでしょうか。

一人ひとりがこの震災がもたらした被害を、
自分のこととして感じる一つのきっかけを与えたのが
『こだまでしょうか』の詩だと思います。

こだまというのは、山から投げ掛けた言葉が
そのまま返ってくるわけですから、
大自然の懐に包まれたような安心感を生み出し、
私たちの心を優しくしてくれるのです。

この詩に触れ、心の内で何度もこだましているうちに、
どこか優しくなれた自分を見つけることができたのでしょう。

募金活動がこれほどの大きなうねりとなり、
また多くの日本人がボランティアとして
被災地へと向かう後押しをしてくれたのが、
「こだまでしょうか」という言葉だったのだと思います。

言葉にはこれほどの力があるということを、
私は改めて教えられた気がしました。

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「人間力.com」は月刊誌『致知』より引用しています。

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