「詩人である前に人であれ」

「詩人である前に人であれ」

堀口すみれ子(詩人、エッセイスト)

 

(『致知』2010年3月号 連載「子孫が語る日本の偉人」より)

父(堀口大學)は人に対して滅多に苦言を
呈したことがない人でしたが、
ある時、珍しく不機嫌そうな顔をして、
若い詩人の方にこんなことを口にしていたことがあります。

「君。人だよ、人。いくら言葉を繕っても、
行間には人が出る。

詩人である前に、人であれ——」。

その詩人の方は、毎日恋愛詩を書いているだけで、
何も生活の糧を得ようとしていなかった。
そういう生活態度は詩に必ず出てしまうものだと、
父は言いたかったのでしょう。

詩人は得てして軟弱なイメージを持たれがちですが、
父は非常に剛毅で、芯のある生き方をしており、
常に一家を支える立派な日本男児であろうとしていました。

詩を書くだけでは生活ができず、晩年まで
「一年のうち三百六十日を翻訳に充てていた」
と述べていますが、父自身は終生、
詩人でありたいと願った人でした。

そしてこんな詩を書きたいと、常々考えていたようです。

「難儀なところに詩は尋ねたい

 ぬきさしならぬ詩が作りたい

 たとへば梁も柱もないが

 しかも揺るがぬ一軒の家

 行と行とが支へになって

 言葉と言葉がこだまし合って

 果てて果てない詩が作りたい

 難儀なところに詩は求めたい」

 (「詩」)

父が、自分の詩や仕事に懸けたそうした態度や、
あり形(かたち)を範とし、私もその娘の名に
恥じない仕事をしていけたらと願う日々です。

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「人間力.com」は月刊誌『致知』より引用しています。

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