糸川英夫博士/独創力を発揮するための3条件

糸川英夫博士/独創力を発揮するための3条件

的川泰宣(宇宙航空研究開発機構名誉教授)

      

(『致知』2010年1月号 特集「学ぶに如かず」より)

糸川英夫先生はよく「独創力」の大切さについて
話されていましたが、一般向けに行われた講演会で
こんなことがありました。

先生は、幼い男の子を抱いて前の席で座っているお母さんに
「その子を独創力のある子に育てたいと思いますか?」
と聞かれました。

「もちろん」と答えたお母さんに、
「そのためにあなたはどう育てるつもりですか?」と聞くと、
そのお母さんは

「独創力を発揮するには自由でなければいけないから、
 この子がやりたいと思ったことは自由にやらせます」
 
と答えました。

先生は天井を見てしばらく考えていましたが

「あなたは数年すると、絶望するでしょうな」

と言われたんです(笑)。

「何でも好きにやって独創力がつくのなら
 チンパンジーには皆、独創力がある」と。

先生が続けて言われるには

「人間には意志というものがあって、
 自分はこれをやりたい、という思いに
 固執しなければいけない」
 
と。一旦やりたいと思ったことは、
絶対にやり遂げるという気持ちがなければ、
やっぱり何もできません。

一度決心したことは、石にしがみついてでも
やり遂げる強い意志が必要だ、と第一に言われました。

        * *

第一には、過去にどんな人がいて、
何をやったかを徹底的に学習しないとダメだ、と。

アインシュタインは、ニュートンのことを徹底的に学習して、
ニュートンが考えることは
すべて分かるという状態にまでなった。
そうやって初めて、ニュートンの
分からないことが分かるようになったんです。

だから過去の人がやったことを
決して馬鹿にしてはいけない。
これまで先人が残した考えの上に乗っかって、
初めて新しいことが生まれる。
だから、徹底的に勉強しなきゃいけないと言われました。

        * *

第三は、少し意外だったんですが、
自分が何か独創力のある凄い仕事をしたと思っていても、
世の中が認めなければ
そのまま埋もれてしまうことになる。

世に認められるためには、
他の人とのネットワークを
しっかり築いてよい関係をつくっておくことが大事ですと。

        * *

先生はその後、

「私は独創力と縁のないことを言ってるように
 聞こえるかもしれないけれど、
 世の中の独創力はそうやってできてるんですよ」

と話された。
先生はまさしくそれを貫かれたと思うんですね。

同時代の人がやっていることを
真似るようなことは決してしないけれども、
過去のことは非常によく勉強されていますよ。

糸川先生は、誰も考えなかったことを
考えるのが大好きなんですよね。
でもその基盤には、自分が正当に継がなきゃいけないものを、
物凄くしっかり勉強しているということがあるわけです。

その上に立って、初めて独創力が
生まれてくるんだなということは、
先生を見ていてよく感じました。

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「人間力.com」は月刊誌『致知』より引用しています。

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