李登輝氏のリーダーの条件

李登輝氏のリーダーの条件

李登輝(台湾元総統)

      

(『致知』2011年9月号 特集「生気湧出」より)

【記者:国の盛衰はリーダーの力量次第といわれます。
    リーダーの条件とはどのようにお考えですか?】
  
  
 一番大切な条件は、強い信仰を持つことです。
 
 
 私が総統の職務を担った時期は毎日が闘争でしたよ。
 反対勢力や世間から攻撃されるのが最高指導者の宿命、
 言われなき非難や糾弾、誹謗中傷もありました。
 
 あまりのことに妻が「総統をやめてください」と泣いたぐらいです。

 台北の郊外に観音山という山があって、
 総統時代にも登ったことがあります。
 あそこの山頂はすごく狭くて、尖がっている。
 
 四方は崖ですから、落ちたらどうなるかとぞっとしました。
 しかし、すぐに

 
 「私は神と一緒にいるから、少しも危ないことはない」

 
 と思いました。

 リーダーもそういうものだと私は思っています。
 あらゆる局面において、
 最終的には自分以外に頼れるものはない。
 
 しかし孤独ではない。
 頭上にはいつも神が存在して助けてくれる。
 
 そのような信仰が、一国の運命を左右する
 孤独な闘いに挑むリーダーには必要だと思います。

【記者:それに続く条件はございますか?】

 「権力は人民のもの」と弁えること。
 権力を自分のものと思うな。
 権力はいつでも放棄しろ、ということです。
 
 そして、「誰もやりたくないきつい仕事を喜んでやる」。

 また、「公と私を区別する」ということも大切です。

 うちの父は台北県の県議などをやっていたことがあって、
 そういう方面での知り合いがたくさんいました。
 
 私が台北市長時代、おそらく父に
 「息子さんに会わせてほしい」と言ってきた人がいたのでしょう。
 公務の合間に一緒に夕食を食べていたら、
 「○○さんがうちに来ておまえに話がしたいと言っている」
 と切り出した。
 
 県議が私に会いたい目的は二つしかない。
 一つは人事であり、もう一つは工事。
 それは明らかです。

 だから私は
 「お父さんがその方にお世話になっていることは分かりますが、
  私は会うわけにいきません」と。
  
 そして「お父さん、今後一切そういうことはしないでください」
 と言ったんです。そうしたら、父は怒って帰っていきました。
 
 しかし、それから父が私に人を取り次ぐようなことは
 一度もありませんでした。
 
 
 
【記者:そのくらい、厳しく公私の別を貫いてこられたのですね】

 そう。父もよく我慢してくれたと思ってね。
 亡くなる前、
 
 
 「あれから一度も人を紹介してよこさないでありがとう。
  おかげで私は職務に当たることができました」
  
 
 と感謝を伝えました。
 彼は「そんなことはもう忘れたよ」と言っていました。
 
 
       * *
 

 そして、最後の条件として
 「カリスマのマネをしない」ということです。

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「人間力.com」は月刊誌『致知』より引用しています。

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